鴻巣は、江戸時代から「ひな人形の街」として人形作りが盛んに行われており、その伝統は380年の間、多くの職人達によって受け継がれ、今に伝えられています。
鴻巣人形は、この土地に移り住んだ人形師の手による土雛・土人形から始まり、次第に、現在のような豪華な衣装を身につけた衣装着の人形作りが盛んになっていったようです
歴史書の中には、鴻巣の雛製造があまりにも隆盛で、江戸の人形職人が、鴻巣を中心とした武州仲間に引き抜かれたことでトラブルとなり、訴訟になったとの記録も残っています。
明治の資料によると、同じく人形作りが盛んな地域として知られる越谷、大沢、岩槻よりも鴻巣の人形業者の方が多かったようです。全国の博覧会などでも、鴻巣の雛が上位を独占した時代があり、「鴻巣の雛人形」は日本の伝統工芸品としての確かな地位を確立しました。
昭和、平成と時代は流れ変わってきましたが、現在でも、小売店、問屋の他、小道具職人、頭職人、胴屋、甲冑師、赤物職人といった多くの「人形職人」たちが、鴻巣の地で人形作りに励んでいます。
当店の近くに雛屋歴史資料館があり、こうした鴻巣びなについての資料・人形が見られますので、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。